コラム

充実管理加算とは?点数・算定要件・加算1〜3の違い【2026年度改定】

公開日:2026年10月5日 最終更新日:2026年10月5日 執筆:藤崎 淳矢(ライフケアコンパス事業責任者)

充実管理加算は、生活習慣病管理料(Ⅰ)・(Ⅱ)に上乗せできる加算で、加算1は30点、加算2は20点、加算3は10点です。2026年度の診療報酬改定で新設され、診療データを厚生労働省に提出している医療機関が算定できます。厚生労働省の資料をもとに、点数・算定要件・実績の指標・経過措置までまとめました。

  • POINT 1

    30・20・10点

    加算1・2・3の点数。生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)に上乗せできます

  • POINT 2

    上位20%・50%

    加算1・2は、脂質異常症・糖尿病・高血圧の実績が、届出医療機関全体の上位20%・50%に入るかで決まります

  • POINT 3

    3つの指標

    評価されるのは、定期的な検査、眼科・歯科との連携、患者さんの継続受診

目次

1. 充実管理加算とは?

充実管理加算とは、生活習慣病管理料(Ⅰ)・(Ⅱ)に上乗せできる加算で、2026年度(令和8年度)の診療報酬改定で「外来データ提出加算」を見直して新設されました。診療データを厚生労働省に提出している医療機関が算定でき、診療の実績に応じて加算1(30点)・加算2(20点)・加算3(10点)に分かれます。

制度上は、生活習慣病管理料(Ⅰ)・(Ⅱ)の「注4」に定められています。もともとは「外来データ提出加算(生活習慣病管理料)」という名前で、データを提出していること自体を評価する加算でした。改定後は、提出されたデータをもとに診療の質の高さも評価するしくみに変わりました。2026年5月31日までは旧名称、2026年6月1日からは充実管理加算として算定します。

厚生労働省は、見直しの目的を「生活習慣病に関連するガイドライン等に沿った診療を行う医療機関を高く評価する」ためとしています。あわせて、提出するデータの項目も減らされました(身長・体重・血圧値などの入力が不要になりました)。

2. 充実管理加算は何点?加算1〜3の違い

充実管理加算の点数は、加算1が30点、加算2が20点、加算3が10点です。対象の患者さん1人につき月1回、生活習慣病管理料に上乗せして算定します。どの区分になるかは、厚生労働省が集計する診療の実績で決まります。

区分

点数

算定できる医療機関

充実管理加算1

30点

データを提出している&
実績が届出医療機関全体の上位20%

充実管理加算2

20点

データを提出している&
実績が届出医療機関全体の上位50%

充実管理加算3

10点

データを提出している
(実績の要件なし)

金額の目安(1点=10円で計算)

対象の患者さん

加算3(10点)

加算2(20点)

加算1(30点)

100人(毎月受診)

年12万円

年24万円

年36万円

300人(毎月受診)

年36万円

年72万円

年108万円

※実際の金額は、受診の頻度や算定の状況によって変わります。

3. 充実管理加算の算定要件は?

充実管理加算の算定要件は、外来医療等調査に参加して診療データを提出し、地方厚生(支)局に届け出ていることです(全区分に共通)。加算1・2はこれに加えて、脂質異常症・糖尿病・高血圧の実績値が、届出医療機関全体の上位20%(加算1)・上位50%(加算2)に入っている必要があります。


すべての区分に共通する要件

  • 外来医療等調査に適切に参加し、調査に準拠したデータを提出すること

  • 地方厚生(支)局に届出(様式7の10・様式7の11)を行っていること

加算1・2に追加される要件

  • 脂質異常症・糖尿病・高血圧を主病として生活習慣病管理料(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定している患者さんについて、厚生労働省が集計した実績値が、届出医療機関全体の上位20%(加算1)または上位50%(加算2)であること

届出の手順とスケジュールは、「外来データ提出加算・充実管理加算の算定手順とスケジュール【2026年度版】」で詳しく解説しています。

4. 加算1・2はどう決まる?実績の指標

充実管理加算1・2を決める実績の指標は、脂質異常症・糖尿病・高血圧の3つの病気ごとに決められています。主な内容は、定期的な検査(脂質の検査・HbA1c・特定健診)の実施率、糖尿病の患者の眼科・歯科との連携の割合、3つの病気に共通する継続受診の割合です。

主病

指標1

指標2

指標3

糖尿病

・継続して受診している患者の割合

・集計期間中にHbA1cの検査を受けた、または特定健診を受けた人の割合

・集計期間中に眼科医療機関連携強化加算、または歯科医療機関連携強化加算を算定した患者の割合

脂質異常症

・継続して受診している患者の割合

・継続して薬で治療している患者のうち、集計期間中に脂質異常症の検査を受けた、または特定健診を受けた人の割合

高血圧

・継続して受診している患者の割合

押さえておきたいポイントは3つです。

  • 実績値は、医療機関が自分で計算するものではありません。提出したデータをもとに厚生労働省が集計し、各医療機関に通知します。

  • 各指標は、上限・下限の処理や標準化をしたうえで実績値として計算されます。細かい計算方法は、今後厚生労働省から示される予定です。

  • 糖尿病の指標にある「眼科医療機関連携強化加算」「歯科医療機関連携強化加算」(各60点・年1回)も、2026年度改定で新しくできた加算です。糖尿病の患者さんに、眼科や歯科の受診が必要と判断し、患者さんの同意を得て他の医療機関と連携した場合に算定します。

5. なぜこの指標が評価されるのか

充実管理加算の指標が「検査」「眼科・歯科との連携」「継続受診」になっているのは、どれも生活習慣病の重症化を防ぐ基本の診療だからです。定期的な検査で治療の効果を確かめ、合併症を早く見つけ、治療を途切れさせないことが、合併症の予防につながります。

定期的な検査(脂質異常症・糖尿病)

脂質異常症や糖尿病は、自覚症状がほとんどないまま進みます。LDLコレステロールやHbA1cを定期的に測ることで、治療の効果を確かめ、薬や生活指導の内容を見直すことができます。2026年度改定では、生活習慣病管理料(Ⅰ)の要件にも「原則として、必要な血液検査等を少なくとも6か月に1回以上行うこと」が加わりました。

眼科・歯科との連携(糖尿病)

糖尿病は、目の網膜や歯ぐきにも影響します。糖尿病網膜症は自覚症状が出にくいため、内科に通っていても、眼科で定期的に検査を受けることが大切です。また、歯周病と糖尿病はお互いに悪影響を及ぼし合うことが知られています。かかりつけの内科が眼科・歯科への受診をすすめ、つなぐことで、合併症の予防や早期発見につながります。

継続受診(3つの病気すべて)

生活習慣病の治療で特に問題になるのが、通院の中断です。症状がないために通院をやめてしまい、数年後に合併症が進んだ状態で見つかることがあります。3つの病気すべてに「継続受診の割合」が入っているのは、治療を続けてもらうこと自体が、重症化予防の土台だからです。

【医学監修コメント】木村 穣(関西医科大学/EIM Japan理事長)

(ここに木村先生の医学的コメントを掲載します。内容のご確認後に差し替えます。)

6. 新しく届け出た場合と、以前から届け出ている場合の違いは?

新しく届け出た医療機関は、充実管理加算3(10点)から算定を始め、1年分の実績の集計を経て加算1〜3の区分が決まります。一方、2026年3月31日時点で旧制度の外来データ提出加算を届け出ていた医療機関は、経過措置として2027年3月31日まで充実管理加算1(30点)を算定できます。

新しく届け出た医療機関は「加算3」から

実績値の集計にはデータの蓄積が必要なため、加算1・2の対象になるかどうかは、1年分の集計を経てから決まります。

様式7の10の届出期限

加算3の算定開始(最短)

実績値の集計対象期間

実績に基づく加算1〜3の算定開始

2026年5月20日

2026年10月

2026年10月〜2027年9月

2028年4月

2026年11月20日

2027年4月

2027年4月〜2028年3月

2028年10月

実績値の通知を受けて区分が変わる場合は、様式7の11をあらためて届け出ます。区分が変わらなければ、届け直す必要はありません。

以前から外来データ提出加算を届け出ていた医療機関(経過措置)

2026年3月31日の時点で、生活習慣病管理料の外来データ提出加算を届け出ていた医療機関は、2027年3月31日までは実績の要件を満たしているものとして、充実管理加算1(30点)を算定できます。2026年6月以降に加算1を算定するために、あらためて届け出る必要はありません。

経過措置が終わった後の扱いは、様式7の11をいつ届け出たかで変わります。

様式7の11を届け出た時期

2026年6月1日〜2027年3月31日

2027年4月1日以降

2025年10月1日までに届出

充実管理加算1(経過措置)

2027年4月1日から、実績に基づく加算

2026年4月1日までに届出

充実管理加算1(経過措置)

2027年9月30日までは加算3、2027年10月1日から実績に基づく加算

2026年10月1日までに届出

充実管理加算3

2028年3月31日までは加算3、2028年4月1日から実績に基づく加算

2027年4月1日までに届出

充実管理加算3

2028年9月30日までは加算3、2028年10月1日から実績に基づく加算

※経過措置を受けるには、2026年3月31日までに様式7の11を届け出ている必要があります。

※経過措置が終わって算定する区分が変わる場合は、様式7の11をあらためて届け出る必要があります。

7. 充実管理加算と外来データ提出加算の違いは?

充実管理加算と外来データ提出加算は、上乗せする診療報酬と点数のしくみが違います。充実管理加算は生活習慣病管理料に上乗せし、実績に応じて30点・20点・10点に分かれます。外来データ提出加算は地域包括診療料・地域包括診療加算に上乗せする10点の加算で、実績による区分はありません。

外来データ提出加算は2026年度改定で新しくできた加算で、名前は旧制度と同じですが、充実管理加算とは別のものです。届出の流れは共通です。

充実管理加算

外来データ提出加算

上乗せする診療報酬

生活習慣病管理料(Ⅰ)・(Ⅱ)

再診料の地域包括診療加算、地域包括診療料

点数

30点/20点/10点(実績で区分)

10点(月1回)

実績による区分

あり

なし

届出の流れ

様式7の10 → 試行データ → 様式7の11

同じ

  • 両方を同時に届け出る場合は、様式7の10の該当する項目すべてにチェックを入れます。すでに充実管理加算を届け出ている医療機関が外来データ提出加算を追加する場合も、様式7の10をあらためて届け出る必要があります(試行データの扱いは「外来データ提出加算・充実管理加算の算定手順とスケジュール【2026年度版】」のよくある質問を参照)。

  • 地域包括診療料・加算の外来データ提出加算は、2026年度は2026年11月20日と2027年2月22日の期限でしか届け出られません。

  • 初診料の機能強化加算でも、外来データ提出加算や在宅データ提出加算を届け出ていることが「望ましい」とされました。

8. 加算1・2を目指すには何をすればよい?

充実管理加算1・2を目指すために医療機関ができることは、検査の予定管理、特定健診の受診状況の確認、糖尿病の患者さんの眼科・歯科への紹介、通院が途切れた患者さんへの声かけの4つです。4章の指標に沿った診療を、院内のしくみとして続けることが大切です。

  • 検査の予定を決めておく:脂質異常症・糖尿病の患者さんには、LDLコレステロールやHbA1cの検査を定期的に行います。検査の時期を療養計画書や予約と合わせて管理すると、抜けを防げます。

  • 特定健診の受診状況を確認する:指標では、特定健診を受けていれば検査をしたものとして数えられます。2026年度改定で、提出データにも「特定健診の受診の有無・受診日」が加わりました。患者さんに受診状況を聞き、記録しておきましょう。

  • 眼科・歯科を紹介する:糖尿病の患者さんには、眼科・歯科の受診が必要かどうかを確認し、必要なら連携して紹介します。眼科医療機関連携強化加算・歯科医療機関連携強化加算の算定にもつながります。

  • 通院が途切れた人に声をかける:予約日に来なかった患者さんに連絡するなど、中断を防ぐ取り組みが継続受診の割合を支えます。

これらはどれも、提出するデータが正確であることが前提です。検査や連携を行っていても、データに正しく反映されていなければ、実績値には表れません。

まとめ

  • 充実管理加算は、生活習慣病管理料(Ⅰ)・(Ⅱ)に上乗せする加算で、加算1は30点、加算2は20点、加算3は10点です。

  • 加算1・2は、脂質異常症・糖尿病・高血圧の実績値が、届出医療機関全体の上位20%・上位50%かどうかで決まります。

  • 評価の指標は、定期的な検査、眼科・歯科との連携、継続受診です。

  • 新しく届け出た医療機関は加算3から始まり、実績に基づく区分での算定は、最短でも届出から約2年後です。

  • 以前から届け出ていた医療機関は、2027年3月31日まで加算1を算定できます(経過措置)。その後の扱いは、様式7の11を届け出た時期で決まります。

Q&A

よくある質問

Q

充実管理加算と、旧制度の外来データ提出加算は何が違いますか?

A

旧制度の外来データ提出加算は、データを提出していることを評価する加算でした。充実管理加算は、データの提出に加えて診療の実績も評価し、実績に応じて加算1〜3の3つに分かれます。2026年6月1日から、名前も充実管理加算に変わりました。

Q

実績値は自分で計算する必要がありますか?

A

必要ありません。提出したデータをもとに厚生労働省が集計し、各医療機関に通知します。医療機関がすることは、正確なデータを期限どおりに提出し続けることです。

Q

生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定している場合も対象ですか?

A

対象です。充実管理加算は、生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)のどちらにも上乗せできます。

Q

新しく届け出たら、すぐに加算1を算定できますか?

A

できません。新しく届け出た医療機関は、まず加算3(10点)から始めます。加算1・2を算定できるかは、1年分の実績値の集計を経てから決まります。たとえば2026年11月20日に届け出た場合、実績に基づく区分での算定は最短で2028年10月からです。

Q

実績値の通知を受けて、区分が変わらなかった場合も届出は必要ですか?

A

必要ありません。区分が変わる場合だけ、様式7の11をあらためて届け出ます。

データ提出の負担を減らすには

充実管理加算の区分は提出したデータで決まるため、データを正確に、期限どおりに作り続けることが欠かせません。ライフケアコンパスの「外来データアシスト」は、レセプトの請求ファイル(UKEファイル)から提出に必要なデータを自動で取り出し、外来様式1の約9割を自動で作成します。エラーや不備も自動でチェックでき、今お使いのレセコンを買い替える必要はありません。届出から加算の取得まで、担当者がサポートします。

監修・執筆

木村 穣(関西医科大学/EIM Japan理事長)の顔写真

医学監修:木村 穣

関西医科大学/日本臨床運動療法学会 理事/EIM Japan(Exercise is Medicine Japan)理事長

※当社(コガソフトウェア株式会社)は、関西医科大学と共同研究を行っています。医学監修は、記事中の医学的な説明について行っていただいたもので、特定の製品・サービスを推奨するものではありません。

藤崎 淳矢(コガソフトウェア株式会社 EIMサービス部 部長)の顔写真

執筆:藤崎 淳矢

コガソフトウェア株式会社 EIMサービス部 部長/ライフケアコンパス事業責任者/関西医科大学 研究員

生活習慣病の患者さん向けヘルスケアサービスの開発や効果検証に携わる。経済産業省、スポーツ庁、AMED(日本医療研究開発機構)など、国や自治体が主導するヘルスケア・スマートシティ関連のプロジェクトで、プロジェクトリーダーやコーディネーターを歴任。医療・健康分野でのデータの利活用と社会実装に取り組んでいる。2026年9月には、第45回日本臨床運動療法学会学術集会で「PHRアプリ利用による生活習慣病の重症化予防の効果検証」をテーマに登壇。