コラム

充実管理加算・外来データ提出加算の算定手順とスケジュール【2026年度版】

公開日:2026年9月30日 最終更新日:2026年10月5日 監修:藤崎 淳矢(ライフケアコンパス事業責任者)

充実管理加算・外来データ提出加算は、届け出ればすぐに算定できるわけではありません。練習用の「試行データ」の提出を経て、算定開始までは最短でも4〜5か月かかります。厚生労働省の事務連絡をもとに、算定までの6ステップと2026年度の期限をまとめました。

  • POINT 1

    3段階

    様式7の10を届出 →
    2か月分の試行データを提出 →
    合格後に様式7の11を届出

  • POINT 2

    2か所

    7の10は地方厚生(支)局の医療課、
    7の11は都府県事務所または
    指導監査課

  • POINT 3

    11/20

    次の届出期限。
    2027年4月から充実管理加算3を
    算定できます(最短)

目次

充実管理加算とはどんな制度か

充実管理加算は、厚生労働省が実施する「外来医療、在宅医療、リハビリテーション医療の影響評価に係る調査(外来医療等調査)」に準拠したデータを継続的に提出している保険医療機関を評価する診療報酬加算です。
生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)への上乗せ評価として、月1回・10点〜30点が算定できます。

※関連制度:地域包括診療料・地域包括診療加算向けの「(新)外来データ提出加算」、「在宅データ提出加算」、「リハビリテーションデータ提出加算」

  • POINT 1

    対象となる患者

    • 加算対象は、生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)を算定している患者

    • ただし、データ提出対象は、上記の算定有無にかかわらず、糖尿病・高血圧症・脂質異常症のいずれかを主病とする患者

  • POINT 2

    実績に応じた3段階のアウトカム評価

    • 充実管理加算3(体制整備のみ・10点)からスタート

    • 生活習慣病管理の実績評価により、充実管理加算2(上位50%の実績・20点)、充実管理加算1(上位20%の実績・30点)へと区分が上がっていく仕組み

  • POINT 3

    制度の変遷

    • 2022年度:「外来データ提出加算」として新設

    • 2026年度改定:評価内容が見直され、「充実管理加算」に名称変更

この記事で扱う加算

充実管理加算は、2026年度の診療報酬改定で、それまでの「外来データ提出加算(生活習慣病管理料)」を見直してできた加算です。2026年5月31日までは、旧名称の「外来データ提出加算」でした。

厚生労働省は、これらを「外来データ提出加算等」とまとめて呼んでいます。在宅データ提出加算やリハビリテーションデータ提出加算も、同じ流れで届け出ます。

点数や算定要件の詳しい解説は、「充実管理加算とは?点数・算定要件・加算1〜3の違い」をご覧ください。

加算名

対象となる診療報酬

点数

充実管理加算

生活習慣病管理料(Ⅰ)・(Ⅱ)

  • 充実管理加算1:30点

  • 充実管理加算2:20点

  • 充実管理加算3:10点

外来データ提出加算

  • 地域包括診療料

  • 地域包括診療加算

10点(月1回)

充実管理加算はどうやって算定する?届出から算定開始までの6ステップ

充実管理加算・外来データ提出加算は、様式7の10の届出から算定開始まで、6つのステップで進みます。練習用の「試行データ」を2か月分提出して合格し、厚生労働省の事務連絡を受けてから様式7の11を届け出る流れで、届出期限から算定開始までは最短でも4〜5か月かかります。

ポイントは、届け出てすぐに算定できるわけではないことです。試行データがきちんと作れていると認められて、はじめて本番の届出(様式7の11)に進めます。

  • STEP 1

    様式7の10を届出

    医療課へ

  • STEP 2

    受領完了メール

    2週間〜1か月

  • STEP 3

    試行データ提出

    2か月分

  • STEP 4

    合否メール

    期限の2〜3週間後

  • STEP 5

    事務連絡メール

    合格後に届く

  • STEP 6

    様式7の11を届出

    都府県事務所等へ

各ステップでやること:届出・メール・試行データ提出

各ステップでやることは、届出(STEP1・6)、事務局からのメールの受け取り(STEP2・4・5)、試行データの作成・提出(STEP3)の3種類です。特に注意したいのは、STEP1の様式7の10とSTEP6の様式7の11で、届出先が異なることです。

STEP1 様式7の10を届け出る

最初に、「データ提出開始届出書(様式7の10)」を、医療機関の所在地を管轄する地方厚生(支)局の医療課に提出します。届出期限は年4回あります(期限は届出期限と提出期限の一覧を参照)。

様式のダウンロード先や提出方法は、管轄の地方厚生(支)局の「外来データ提出加算等」のページで確認できます。

※注意点:

  • 様式7の10に書いたメールアドレスに、この後のすべての連絡が届きます。書き間違いがないか、届出前によく確認しましょう。

  • 複数の加算を届け出る場合は、該当する項目すべてにチェックを入れます。

STEP2 「受領手続き完了のお知らせ」メールを受け取る

届出の情報は、地方厚生(支)局から外来医療等調査事務局に共有されます。準備ができると、事務局から「様式7の10受領手続き完了のお知らせ」メールが届きます。

届出からメールが届くまでは、2週間〜1か月程度かかります。このメールには、データ作成用のツールを使うために必要な情報が書かれているため、削除せずに保管してください。

なお、このメールがいつ届くかを地方厚生局に問い合わせるのは控えるよう案内されています。問い合わせ先は外来医療等調査事務局(メールのみ)です。

STEP3 試行データを作成して提出する

実際の診療実績をもとに、調査の仕様に沿ったデータ(外来様式1などの各ファイル)を作成し、期限までに提出します。

  • 作成するのは、届出期限の翌月から2か月分です。

  • 例外として、2027年2月22日期限の回(第4回)だけは、届出期限の月を含む2か月分(2月・3月)になります。

  • 提出用のファイルは、事務局が配布する「外来データ提出支援ツール」で作成します。

試行を辞退したい場合:連絡は不要で、期限までに提出しなければ辞退の扱いになります。その後、事務局から今後の手続きについて連絡が来るまでは、次の回の様式7の10を届け出ないよう定められています。

STEP4 試行データの合否メールを受け取る

試行データの提出期限からおおむね2〜3週間後に、事務局から合否の連絡がメールで届きます。

  • 合格(データ提出の実績が認められた)場合:STEP5へ進みます。

  • 不合格の場合:STEP1からやり直しになります。

STEP5 データ提出事務連絡を受け取る

合格すると、厚生労働省から「データ提出事務連絡」が出され、そのことが事務局からメールで知らされます。この事務連絡を受け取ってはじめて、様式7の11を届け出ることができます。

STEP6 様式7の11を届け出る(算定開始)

最後に、「外来/在宅/リハビリテーションデータ提出加算及び充実管理加算に係る届出書(様式7の11)」を届け出ます。
届出には、様式7の11に加えて、別添2「特掲診療料の施設基準等に係る届出書」も必要です。
別添2は、加算区分・主病ごとに提出します。初回は充実管理加算3の、脂質異常症(充管脂3)・高血圧症(充管高3)・糖尿病(充管糖3)の3通を提出します。

ここが一番間違えやすいポイントです。様式7の11の届出先は、STEP1の医療課ではなく、医療機関の所在地を管轄する地方厚生(支)局の都府県事務所または指導監査課です。

算定開始月は、様式7の11が受理された日で決まります。たとえば、2027年4月1日までに受理されれば2027年4月から算定を始められます。受理後、事務局から「様式7の11受領手続き完了のお知らせ」メールが届き、本番のデータ(本データ)の作成が始まります。

なお、施設基準は、様式7の10を届け出る時点で満たしている必要はありません。様式7の11を届け出る時点で満たしていれば問題ありません。

様式

届出先

様式7の10(データ提出開始の届出)

地方厚生(支)局の医療課

様式7の11+別添2(加算の届出)

地方厚生(支)局の都府県事務所または指導監査課

様式7の12(変更の届出)

地方厚生(支)局の医療課

2026年度の届出期限はいつ?データ提出期限の一覧

2026年度(令和8年度)の様式7の10の届出期限は、2026年5月20日・8月20日・11月20日、2027年2月22日の年4回です。
次の期限は2026年11月20日で、この回の試行データ(2026年12月・2027年1月分)の提出期限は2027年2月25日12時です。

回

様式7の10届出期限

試行データ作成対象月

オンラインによる提出期限

第1回

2026年5月20日(終了)

2026年6月・7月

2026年8月27日(木)12時

第2回

2026年8月20日(終了)

2026年9月・10月

2026年11月26日(木)12時

第3回

2026年11月20日

2026年12月・2027年1月

2027年2月25日(木)12時

第4回

2027年2月22日

2027年2月・3月

2027年4月30日(金)12時

※郵送などで配送する場合は、オンラインの期限より1〜2日早い期限が設けられています。

地域包括診療料・地域包括診療加算の「外来データ提出加算」を届け出る場合、2026年度に届出できるのは11月20日と2027年2月22日の2回だけです。

例:2026年11月20日に届け出た場合のスケジュール

〜2026年11月20日

様式7の10を届け出る

2026年12月・2027年1月

試行データの対象期間(この2か月分のデータを作成)

~2027年2月25日12時

試行データを提出する

2027年3月ごろ

合否メール → データ提出事務連絡メール → 様式7の11を届け出る

2027年4月〜

充実管理加算3の算定開始(最短の場合)

算定開始後の本データの提出期限(2026年度)

算定開始後は、本データの提出が年8回(通常の提出4回+疑義確認による再提出4回)続きます。期限は次のとおりです。

提出の対象

提出期限(オンライン)

2026年4月・5月分

2026年7月30日(木)12時

第1回 疑義確認による再提出

2026年9月24日(木)12時

2026年6月・7月・8月・9月分

2026年10月29日(木)12時

第2回 疑義確認による再提出

2026年12月24日(木)12時

2026年10月・11月・12月分

2027年1月28日(木)12時

第3回 疑義確認による再提出

2027年3月25日(木)12時

2027年1月・2月・3月分

2027年4月30日(金)12時

第4回 疑義確認による再提出

2027年6月24日(木)12時

本データは、算定を始めた月を含む四半期の分から作成します。たとえば、算定開始が2026年9月なら、6月〜9月のすべての月が対象です。

届け出た後、充実管理加算は何点から算定できる?

新しく届け出た医療機関は、まず充実管理加算3(10点)から算定を始めます。
加算1(30点)・加算2(20点)になるかは、データ提出後の1年分の実績で決まるため、2026年11月20日に届け出た場合、実績に基づく区分での算定は最短で2028年10月からです。

実績は、脂質異常症・高血圧症・糖尿病の患者についての指標(継続して受診している患者の割合、検査を実施した患者の割合など)をもとに集計されます。届出をしたすべての医療機関の中で、上位20%なら加算1、上位50%なら加算2の対象になります。

実績の指標の詳しい内容は、「充実管理加算とは?」(※後日公開)で解説しています。

試算例:対象患者415人・充実管理加算3・月1回通院(年間49.8万円の見込み増収)の場合

2026年5月20日までに届出

加算3:2026年10月〜/加算1〜3:2028年4月〜

2026年11月20日までに届出

加算3:2027年4月〜/加算1〜3:2028年10月〜

実績の集計期間

加算3の算定開始から1年間

実績の結果、加算の区分が変わる場合は、様式7の11をあらためて届け出る必要があります。区分が変わらない場合は、届け直す必要はありません。

算定を始めた後に気をつけることは?

充実管理加算・外来データ提出加算は、算定を始めた後もデータの提出が続きます。注意したいのは、①データ提出が年8回あること、②提出が遅れると翌々月から算定できなくなること、③事務局からの連絡がすべてメールで届くことの3つです。

  • 8

    回

    1年間のデータ提出
    (通常4回+再提出4回)

  • 翌々月

    から

    遅延等があると
    算定できなくなる月

  • メール

    で

    連絡は原則、すべて
    登録した担当者のメールに届く

① データ提出は年8回ある

算定を始めた後は、データを継続して提出します。1年間の提出は、通常の提出が4回と、疑義確認による再提出が4回の、合計8回です。疑義確認とは、提出したデータに仕様どおりでない部分や矛盾がないかを事務局が確認し、医療機関に修正を求める手続きです。再提出の期限の約3週間前に、案内のメールが届きます。

② 提出が遅れると、翌々月から算定できなくなる

提出期限に遅れるなどの「遅延等」があると、提出期限の月の翌々月から算定できなくなります。遅延等には、期限までに提出しなかった(または期限を過ぎてから提出した)場合、決められた方法以外で提出した場合、「外来データ提出支援ツール」で作成したファイル以外を提出した(またはデータが揃っていなかった)場合などが含まれます。その後、あらためて期限どおりに提出できれば、再び本データ提出の実績が認められた場合、保険局医療課から通知が出され、その通知に定める日から算定を再開できます。さらに、当該調査年度において累積3回の遅延があった場合、3回目が認められた日の属する月に速やかに様式7の12(変更の届出)を提出する必要があり、届け出た月の翌月から算定できなくなります。

③ 連絡はすべてメールで届く

データ提出事務連絡を含め、事務局からの連絡は原則として、様式7の10に登録した担当者のメールアドレスに届きます。担当者が変わる場合や、メールを見落としやすい場合は、院内で確認する仕組みを作っておきましょう。

まとめ

  • 充実管理加算・外来データ提出加算は、様式7の10を届出 → 試行データを提出 → 様式7の11を届出の流れで算定を始めます。

  • 様式7の10と様式7の11は届出先が違うので、特に注意が必要です。

  • 2026年度の次の届出期限は2026年11月20日で、最短で2027年4月から充実管理加算3を算定できます。

  • 算定開始後は年8回のデータ提出が続き、遅れると翌々月から算定できなくなります。

  • 届出期限から算定開始までは、最短でも4〜5か月かかります。期限から逆算して、早めに準備を始めましょう。

Q&A

よくある質問

Q

施設基準を満たしていなくても、様式7の10を届け出られますか?

A

届け出られます。施設基準は、様式7の10の届出時点では満たしている必要はなく、様式7の11の届出時点で満たしていれば問題ありません。

Q

試行データが不合格だった場合はどうなりますか?

A

STEP1(様式7の10の届出)からやり直しになります。次の回の届出期限に合わせて、あらためて届け出てください。

Q

すでに充実管理加算を届け出ています。地域包括診療料の外来データ提出加算を追加するときも、試行データは必要ですか?

A

様式7の10はあらためて届け出る必要があります。一方で、試行データは別に作る必要はなく、届出が受理された月を含む四半期分の充実管理加算の本データが、試行データとして扱われます。ただし、その本データには、外来データ提出加算の対象となる患者さんも含めて作成する必要があります。なお、2026年9月30日までに届出が受理された場合は、2026年10月〜12月分の本データが試行データとして扱われ、データ提出事務連絡は2027年3月下旬ごろに出される予定です。

Q

旧制度の外来データ提出加算を算定していました。何か手続きは必要ですか?

A

2026年3月31日の時点で、生活習慣病管理料の外来データ提出加算を届け出ていた医療機関は、2027年3月31日までは、実績の要件を満たしているものとして充実管理加算1を算定できます(経過措置)。2026年6月以降に加算1を算定するために、あらためて届け出る必要もありません。ただし、2027年4月から2027年9月末までは加算3、2027年10月から実績に基づく加算となります。経過措置が終わって算定する加算の区分が変わる場合は、様式7の11を届け出る必要があります。届出日によって扱いが変わるため、事務連絡の別表4で確認してください。

Q

手続きについて、どこに問い合わせればよいですか?

A

問い合わせ先は、内容によって異なります。施設基準・届出・算定については、管轄の地方厚生(支)局へ。データの作成・提出については、外来医療等調査事務局(メール:support@gairai.jp)へ問い合わせます。メールの件名の先頭には、施設コード(9桁)を必ず書いてください。電話での問い合わせは受け付けていません。16時30分までの質問には、原則として当日中に回答があります(土日・祝日・年末年始を除く)。診療報酬の解釈に関する質問には回答していません。

データ作成の負担を減らすには

手間がかかるのは、STEP3以降のデータ作成です。外来データアシストは、レセプトの請求ファイル(UKEファイル)から提出に必要なデータを自動で取り出し、外来様式1の約9割を自動で作成します。エラーや不備も自動でチェックでき、今お使いのレセコンを買い替える必要はありません。届出から加算の取得まで、担当者がサポートします。

監修者

藤崎 淳矢(コガソフトウェア株式会社 EIMサービス部 部長)の顔写真

藤崎 淳矢

コガソフトウェア株式会社 EIMサービス部 部長/ライフケアコンパス事業責任者/関西医科大学 研究員

生活習慣病の患者さん向けヘルスケアサービスの開発や効果検証に携わる。経済産業省、スポーツ庁、AMED(日本医療研究開発機構)など、国や自治体が主導するヘルスケア・スマートシティ関連のプロジェクトで、プロジェクトリーダーやコーディネーターを歴任。医療・健康分野でのデータの利活用と社会実装に取り組んでいる。2026年9月には、第45回日本臨床運動療法学会学術集会で「PHRアプリ利用による生活習慣病の重症化予防の効果検証」をテーマに登壇。